Yezo Brown Bear Lab

ヒグマの出産と育児

ヒグマはいつ出産し、どのような育児をするのでしょうか?
人間と同じように父グマと母グマが協力して子供を育てるのでしょうか?

ヒグマの出産と育児

ヒグマは冬ごもり中に出産するため、2月1日を誕生日とします。
最初の1年は母親と兄弟と行動を共にし、冬眠も一緒にします。
そのため繁殖期以外で連れ立っているヒグマは親子か兄弟です。

ヒグマの出産と育児

2年目(1歳の年)に早いヒグマは親離れします。
親離れしないヒグマはまた母親と一緒に冬眠します。
若い母グマが当歳子を親離れさせることもあるそうです。

3年目(2歳の年)にはほぼ全てのヒグマは親離れし、自立します。
親離れした兄弟がしばらく行動を共にすることもあります。

熊谷さん体験談(16)
親離れしたばかりのヒグマの兄弟との遭遇です。緑の草を纏ってとてもきれいな写真です。 痩せていますが、2012年の厳しい夏を乗り越え

ヒグマの繁殖

ヒグマの繁殖についてです。4~5歳から繁殖可能となります。

  • 繁殖可能齢:4歳(最若年齢3歳)~27歳
  • 繁殖時期:6月~7月
  • 出産時期:1月~2月(冬ごもり中)
  • 性周期:2~3年(連年も可能)
  • 繁殖回数:5~6回(一生で)

ヒグマの受精と着床遅延

ヒグマの繁殖、受精と着床遅延

ヒグマの受精卵は初夏の交尾後、メスの子宮に着床せずに子宮内に留まります。
その後、メスが冬ごもり前の秋に充分な栄養と脂肪を蓄えた場合、子宮に着床します。
これを着床遅延といいます。栄養不足だと着床しない⇒妊娠しないのですね。

ヒグマの出産

ヒグマの出産はメスが一人で冬ごもり中の絶食期に行います。

  • 出産時期:1月~2月(冬ごもり中)
  • 産子数:1~3頭
  • 誕生日:2月1日で統一
  • 母親は絶食しながら授乳し育てる
  • 新生子の体長:25~35cm
  • 新生子の体重:300~500g⇒冬眠明けには4~5kg

生まれた子は非常に小さく、体重は300~500g程度しかありません。
穴の中で授乳しながら育て、穴から出る頃には4~5kgまで育っています。

ヒグマの子育て

  • 育児にオスは参加しない
  • 子育て中のメスはオスを近づけない
  • 親ばなれ年齢と時期:生後1年4ヶ月程度から2年半くらい
  • 母グマは子グマに生きる術を教える
  • 母グマは子熊を愛情かけて育て、子熊の危機の際には命がけで守る

繁殖期にはオスの成獣が繁殖相手を求めて、子連れの母グマにつきまとうこともあります。
母親は必死に子供を守りますが、子どもを殺されて仕方なくそのオスと繁殖することも。
知床では子連れの母グマが繁殖期のオスを避け、人間の近くで授乳することもあります。
子育てするのに上手に人間の存在を利用しているのです。

母グマは生きる術を子グマに教えます。
母グマと人間との関係がその子、孫と次世代へと引き継がれる可能性があります。
人への警戒心が薄い母に育てられた子は同じような特性を持つかもしれません。

ヒグマのお母さん

ヒグマの親子

ヒグマのお母さんはとてもたくましいです。
妊娠のための栄養補給も一人で頑張り、一人で穴の中で出産し、何も食べない状態で授乳し、穴から出た後は外敵から子どもを守り、子どもの自立のためにいろいろと教えながら育て上げる。時には発情したオスグマから、時には銃を持った人間から、命がけで体を張って子どもを守るヒグマのお母さんは本当に強いですね。

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