ヒグマの年齢
ヒグマは何歳からおとな(成獣)なのでしょう?
そして何歳くらいまで生きるのでしょうか?
長寿のヒグマは何歳まで生きたのでしょう?
何歳からおとな(成獣)?
ヒグマの「成獣」とはおとなのヒグマのことですが、一体何歳から成獣なのでしょう?
実は専門家によっても「成獣」の定義は違うようで、4歳~6歳と幅があります。
性成熟をし繁殖し始めるのがだいたい4歳から。
しかし、親の育児期間によって親離れの時期が違うのがヒグマ。
約1歳半~2歳半、場合によっては1歳前に親離れさせることもあるそうです。
同じ2歳半でも親離れしたばかりの個体と親離れして1年経った個体では経験値が違いますね。
環境省の書類でも5歳以上が成獣だったり、4歳以上が成獣だったり。
とりあえず当サイトでは以下のように定義しておきます。
- 成獣:5歳以上
- 亜成獣(若グマ):2~4歳
- 幼獣(母と一緒):0~1歳
寿命はどのくらい?
ヒグマの年齢は前足幅からある程度推察することもできます。
詳細な年齢は歯のセメント質に年輪が形成されるのでそこから特定できます。
ヒグマの寿命は野生下では20~30歳と言われています。
野生の捕獲個体で最高齢は34歳。
飼育下のオスの国内最高齢はのぼりべつクマ牧場のロコ34歳(2014年2月死亡)
人間の年齢に換算すると100歳近い。
メスの最高齢は円山動物園の栄子41歳。(2014年3月安楽死)人間では110歳相当。
- 野生の最高齢:捕獲個体オス♂メス♀共に34歳
- 飼育下オス♂最高齢:ロコ34歳(2014年2月死亡)⇒人間だと100歳近い
- 飼育下メス♀最高齢:栄子41歳(2014年3月安楽死)⇒人間だと約110歳
国内最高齢の栄子は15回も出産し、32頭の子供を産んだお母さんでした。
世界のヒグマではスウェーデンのスカンセン動物園の満47歳の個体。
野生のヒグマの老後と最期
私たち人間も老後に悩みはつきもの。病気、老後資金、認知症など様々な問題が。
野生のヒグマは一体どんな最後をむかえるのでしょう。
知床のオレンジ
この個体はNHKスペシャル「知床 ヒグマ運命の旅」でも紹介されたオスの個体です。
知床ルシャの王者、オレンジ。体長1.65m、体重255kg。
ルシャに君臨し、たくさんの子供をもうけたことが遺伝子調査からわかっています。
しかし、そんなオレンジも寄る年波には勝てません。
他の強い個体との生存競争に敗れ、斜里ウトロの人里近くに現れるように。
オレンジは他のオスとの戦いで臀部にひどい傷を受けた状態で姿を見せました。
番組ではそれがオレンジの最後の姿でしたが・・・
その後オレンジは羅臼町の漁港に姿を現すようになり、ついに捕殺されたのです。
年齢はなんと34歳の高齢でした。野生のオスの捕獲個体では最高齢だと思います。
野生最高齢オスのオレンジについては以下の記事もどうぞ。
ヒグマの年齢を人間に当てはめる
犬や猫などのペットもなかなか人間の年齢と一致させるのは難しいのですよね。
ヒグマの年齢と人間の年齢に換算するとどうなるのでしょうか。
クマの30歳以上は人間だと90歳以上だと言いますが・・・
門崎氏によると以下のような換算式で人間に対応するヒグマの年齢を求められるとのこと。
(クマの年齢-4)×1.652+15=人の年齢
ちょっと計算してみますと・・・
栄子(41歳)は人間でいうと76歳。
オレンジとロコ(34歳)は65歳になります。
参考に他の年齢も。
クマ4歳=人間15歳
クマ10歳=人間25歳
クマ20歳=人間41歳
クマ30歳=人間60歳
上述の栄子(41歳⇒人間だと110歳相当)やロコ(34歳⇒人間だと100歳近い)の人間相当の年齢は新聞記事を参考にしました。計算式の換算年齢とは30歳くらい違いがあります。
なかなか動物の年齢を人間に当てはめるのは難しいですね。