ヒグマの手足・胆のう
ヒグマは足跡の幅(前掌幅)の大きさである程度どんな個体か推測できます。
小さければ子ぐま、とても大きければ成獣のオス。
小さい足跡と大きな足跡が複数あれば親子グマの可能性もあります。
ヒグマの手(前掌)
ヒグマの手は指が5本あり、左右合わせて10本の指があります。手には爪が生えていて、鉤型でひっこめることはできません。
手は歯と同様にいろいろな用途に使われ、日常生活のあらゆることに役立ちます。
前掌の幅は跡が残りやすいので、成獣か子グマか、更にオスかメスかなどある程度判別することができます。
足幅が大きければ大きな個体であることも多く、幅が18cm以上のものはかなり大型のオスの可能性があります。
たとえば18cm以上の足幅だと300kg~400kgの大型個体と推測されます。
- 当歳子:9cm未満
- 1歳:9cm以上
- メス:~最大14.5cm
- 15cm以上:オス
- 18cm以上:大型のオス
メスの前掌幅は最大でも14.5cmなので、15cm以上はオスであると推測できます。
ヒグマの体長に関する記事は以下をご覧ください。
ヒグマの足(後ろ足)
後ろ足の幅は前足(前掌)と同じ幅です。
ヒグマの後ろ足は前足と同様に指が5本あります。
後ろ足にも爪が生えていますが、前足の爪の方が長いです。
ヒグマは前足も後ろ足も親指が一番短くなっています。
前足と後足ともに、指すべてが地面に接地します。ヒグマは前足も後ろ足も内股です。
ヒグマはあの巨体にも関わらず足がとても速いです。
平均速度は時速25km以上で、最高速度は時速50kmにも達します。
そのため人間が走って逃げても追いつかれてしまいます。
実際の前掌幅例
事件に関連する足幅例(降順)です。
- 2018年6月:利尻島で発見:幅20cm/長さ25cm
- 2017年10月:白糠町加害グマ:幅18cm
- 2015年2月:厚岸町加害グマ:幅15cm/長さ30cm
- 2013年4月:せたな町加害グマ:幅14cm⇒オス7歳、体長200
利尻島を騒がせたオスヒグマの足跡大きいですね。
三毛別の加害グマは前掌幅は20cm、後肢掌長は30cmだったそうです。
2022年現在世間を騒がせている牛食い忍者ヒグマOSO18も足幅18cmの巨グマです。
OSO18については以下の記事からどうぞ。
ヒグマの胆のう
ヒグマの胆のうは俗に「熊の胆」と言われ、非常に高価です。
漢方薬の原材料として古くから使用され、金よりも高く、3.75グラムあたり1万5千円~2万円で売買されています。
昔から胃痙攣や消化器全般の薬とされていますが、ワシントン条約で規制されています。
中国や東南アジアの一部の国ではクマを身動きの取れないような狭い檻で飼育し、生きたクマから胆汁を継続して採取しており、動物愛護の観点から問題視されています。
※参考サイト[Animal Asia]