ヒグマの事件・対処法等データベースのヒグマ研究室

ヒグマの食べ物

ヒグマは雑食性です。
人身事故のイメージや、鮭を食べるイメージから肉食性と思われる方も多いようです。
実際は植物性の食べ物を7割以上食べている個体が多いようです。

ヒグマの食べ物

春の食べ物(3月~5月)

ザゼンソウ、フキやセリ科の草本類を食べます。
昨年落ちたドングリなども食べます。
冬眠明けはフキなどを好むため、山菜を採りに来た人との事故が発生しやすくなっています。
人が山に入る時期になると人が捨てたゴミを食べるヒグマもいます。
ゴミは必ず持ち帰りましょう。危険なヒグマを生み出すことになります。

ヒグマの春の食べ物

セリ科の草本類はエゾニュウやアマニュウ、エゾノヨロイクサ、シラネニンジン、オオハナウドなどです。
その他にもウド、イラクサ、スゲなども食べます。

夏の食べ物(6月~8月)

初夏にはアリやザリガニ、セミの幼虫、スズメバチなど動物質の物も良く食べます。
フキやセリ科の草本類も引き続き食べ、ヤマグワやサルナシ、シウリザクラ等の果実類も食べます。 利用していた草本類がなくなり農作物が実る頃や、8月中旬から9月のいわゆる[端境期]には電気牧柵のない農地の農作物を荒らすヒグマも出現します。
トウモロコシ、スイカ、ニンジン、水稲、ビートなど色々な農作物が食害されます。

ヒグマの夏の食べ物 ヒグマの夏の食べ物2

秋の食べ物(9月~11月)

冬眠前の栄養備蓄のためたくさんの食料を摂取します。
秋にはブナの実(道南)やミズナラの堅果(ドングリ)、クルミなどを食べます。
その他にはナナカマド、コケモモ、ミズキ、ウド、タラなどの果実も利用します。
ドングリの豊凶作が秋のヒグマの出没に関連があると言われいます。
そのため北海道では秋に山の実なり調査を行いヒグマの出没を予測しています。
調査しているのは、ミズナラ、山ブドウ、サルナシ、ブナ(道南)の4種です。

ヤマブドウやサルナシなどの果実類もごちそうです。
道東ではシカを食べるヒグマもいますが、自ら捕食することはあまりありません。
ヒグマと言えばシャケを捕ると言うイメージが強いですが、シャケが遡上するのは一部の川です。

ヒグマの秋の食べ物

冬の食べ物(12月~2月)

冬は冬眠するので、冬眠中の約4ヶ月は基本的に絶食です。
道東はシカが増えており、シカを食べ冬眠しない個体もいると言われています。
ヒグマは食べ物が豊富にあり食物条件が良ければ越冬しないと考えられています。
そして、冬季に食物が十分得られなければ冬眠します。

ヒグマの食性の変化?

ヒグマは雑食で環境に応じて食性を変化させます。
最近の研究でヒグマの食性が1860年付近から変化していることがわかりました。
シカやサケなどの動物質の摂取割合がその時期に急激に減少しており、草食性(栄養源の7割以上が植物性)へと変わったと思われます。
明治維新期のサケ漁や土地開発に影響を受け、更にエゾオオカミの絶滅により動物質が入手しにくくなった可能性もあります。 (ヒグマはエゾオオカミが仕留めたシカを奪っていた?)

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