北海道に白クマとパンダ?
ヒグマと言えばこげ茶色の体毛のイメージですね。
ツキノワグマのように白い体毛が首周りにあったり。
金色の毛が生えていたり、体毛のバリエーションは様々です。でも基本は茶色。
そんなヒグマにも真っ白な個体いや、パンダ模様がいる!?
下川町に白いクマ?
2017年8月下川町で真っ白なヒグマが目撃されました。
中学校付近やスキー場付近で目撃されたそうです。
アリの巣を掘っていたようですが、人を見て逃げました。
実は白いヒグマは2012年下川町の隣町西興部村でも目撃されていたのです。
その当時はまだ子グマ(1歳くらい)だったこのクマ、無事育ったようですね。
何でこのクマが白いのかというと、全身が真っ白な「アルビノ」の個体のようです。
遺伝子的にメラニンを合成する遺伝子が欠けている個体なのです。
アルビノは非常に珍しく、16,000~20,000に1の出現率と言われています。
この個体は2012年に1歳だと2017ではもう立派な成獣です。
無事にお相手が見つかって繁殖できるといいですね。
以前、鳥のアルビノ個体が繁殖相手をみつけにくいと聞いたことが。
やっぱり同じ動物でも真っ白だと変わりもの扱いされてしまうのでしょうか。
アルビノ熊その後
2019年4月26日には士別町で白いヒグマが目撃、写真に撮影されました。
体長は1.5mほどで市道沿いで発見されました。
このヒグマは過去に下川町と西興部村で目撃されていた個体と推測されています。
函館市にパンダ!?
2017年9月には函館市の山中でパンダのような動物が撮影されました。
耳が黒く、顔は白。そして目の周りが黒、と一見パンダそのもの。
この外見がパンダ模様の動物の正体はヒグマ。
大きさから2~3歳かメスの成獣だそうです。
もしこれと遭遇しちゃったら、何かいろんな意味で驚いてしまいそう。
上野動物園での壮絶なパンダ人気を考えると・・・
もしこれがウロウロしてたら近づいてしまう人もいるのでは・・・?
でも中身は結局、日本最大の陸上生物、時に人を殺傷するエゾヒグマです。
国後島と択捉島の白いクマ
北方領土の国後や択捉島には1割程度白い体毛のヒグマがいます。
真っ白ではなく、上半身が白いのが特徴。
2009年10月に国後島で白いヒグマが初めて撮影されました。
研究者のカラフトマスを使った実験によると、カラフトマスは白と黒の違いを認識するため白い体毛の方が発見されにくく、カラフトマスを捕獲しやすい可能性があるとのこと。
同様にカナダのアメリカクロクマでも、白い個体は黒い個体よりサケを捕獲しやすいそう。
北海道のヒグマと比べて北方領土のヒグマの方が多量のサケ類を食べているそうです。
研究によると道東のヒグマは全食物全体に占めるサケ類の割合が8.7%。
択捉島のヒグマは27.3%だったとのこと。
北方領土だけでなく、北海道にも白いヒグマが!
上記の白いヒグマは択捉と国後にしか生息していないとされていましたが・・・
いました、北海道八雲町にも。
八雲町の演習林で白い体毛のヒグマの動画に2016年~2018年に6回成功したそうです。
このヒグマは動画の体長や動きなどからメスの4歳(2018年)と推定されています。
国後や択捉の個体とは違い、顔は黒く下半身にも白い体毛があるとのこと。
カメラは熱感知カメラで、熱を感知すると撮影を開始するタイプ。
2016年9月から2018年7月にかけて6回撮影できたことから、この白い体毛のメスのヒグマは付近に定住しているのではないかと推測されています。
- 性別:メス
- 年齢:推定4歳
- 場所:八雲町
- 撮影:2016年9月~18年7月
このヒグマは日大生物資源科学部の研究グループが研究を続けていくそうです。