沼田幌新ヒグマ事件
これは苫前三毛別ヒグマ事件の次に多数の被害者を出した事件である。
苫前三毛別の数年後、沼田町でオスの成獣により起こった。
事件概要
1923(大正12年)8月21日夜23時頃、村田一家は沼田町で行われた祭りの帰宅途中であった。
父の五郎と、母のウメ。長男と次男、知人の林の5人で夜遅く帰路についていた。
突如ヒグマが林に襲いかかり、林は一家に注意を促し皆で逃げ出した。
しかし、まず次男が襲われ、次は母ウメが襲われた。
村田と長男はウメを助けるべくクマに立ち向かうが、二人とも重傷を負う。
村田と林とウメは何とか逃げおおせて、近くにあった農家に避難。
しかしクマはその農家にやって来て窓から中をうかがい、その後入り口から侵入。
戸を押さえていた村田は下敷きになる。
クマはウメに襲いかかり、夫の村田がスコップを持って妻を咥えたクマを必死に叩くが、クマはウメを咥えて立ち去ってしまった。
人びとはどうすることもできず、朝を待った。
翌朝、ウメが下半身を食われた状態で発見され、次男も遺体で発見された。
長男は瀕死の状態で発見され、病院に運ばれたが死亡した。
その後、アイヌのクマ狩り名人達が応援にかけつけた。
そのうち一人が単身で加害グマを狩りに山に入り込んだ。
しかし、返り討ちに遭い、その後食害された遺体で発見された。
このクマを狩るために総勢200人以上の警官や応援が集まった。
8/24の午前11時ごろ、クマ狩りに出ていた一行を加害グマが襲った。
まず一人が殺害され、次にもう一人が襲われた。
更に次の討伐隊士に襲いかかろうとしたところを遂に撃ち殺された。
加害グマ
- 性別:オス♂
- 体長:1.93m
- 体重:200kg
- 年齢:老獣?
- 加害理由:「排除」襲撃地点近くにこのクマが埋めていた馬の死体があった。
自分のエサを保持するため、通りがかった一行を襲った可能性がある。
加害グマの皮は沼田町郷土資料館に展示してあるそうです。
死者
- 村田の次男
- 村田ウメ(母)
- 狩猟者
- 討伐隊士
- 村田の長男(後に死亡)
負傷者
- 林
- 村田五郎(父)
- 討伐隊士