羅臼の犬食いグマRT駆除される
知床半島の羅臼町で2018年から2021年にわたって外飼いの犬を襲撃するヒグマが出没。
成獣のオスと判明しており、コードネームはRT(ルシャ太郎)。
目次
1) 2018/8/1 海岸町で中型犬2頭が襲われる
羅臼町海岸町で飼い犬の死骸を穴に埋めているヒグマが発見される。
発見した男性が声を上げるとヒグマは逃亡。
そばにはもう1頭の飼い犬の死骸があった。
飼い犬は石に鎖でつながれていたが、鎖ごと犬が連れて行かれていた。
もう1頭は腹部を食われていた。こちらは鎖が取れなかったようである。
連れて行かれた犬も腹部が食われていた。
ヒグマは痩せており体長は150~200センチくらい。
7/23には羅臼町峯浜町で飼育されていたヤギが血痕を残し行方不明だったがDNA鑑定の結果別の個体と判明。
2) 2019/7/11 海岸町で飼い犬が行方不明
7月10日夜、外に繋がれていた中型の飼い犬が吠えた後静かになり、翌朝飼い主が確認したところ、血痕を残して犬は行方不明となる。
ふんのDNAから昨年飼い犬を2頭襲撃した個体と同一と判明。
RTに襲われた犬はこれで3頭目。
3) 2019/7/26 峯浜町で飼い犬が襲われる
7月26日夜羅臼町峯浜町の飼い犬を襲撃。
捜索していたハンターと財団職員がクマに驚いて転倒し負傷。
この際重機で捜索していたが、RTは重機が通っても息をひそめており、その後ハンターらが来た際に飛び出して威嚇。
RTに襲われた犬はこれで4頭目。
4) 2019/8/3 春日町で飼い犬が襲われる
8月3日夕方、屋外で飼われていた犬が鎖をちぎられ行方不明になる。
ハンターが捜索したところ、自宅から約30mのやぶで犬の残骸とクマの糞を発見。
クマは山へ逃げた。
ふんからDNA検査をしたところ、同じオスの個体であることが判明。
RTに襲われた犬はこれで5頭目。
5) 2021/6/27 海岸町でヒグマが飼い犬3頭を襲う
6月27日午後9時頃、屋外で飼われていた犬3頭がヒグマに襲われ1頭は死亡、2頭は負傷。
全頭後ろ脚を噛まれていた。
犬の鳴き声に気づいた飼い主が窓を叩き、爆竹を鳴らすと別の犬に襲いかかった。
通りがかった車の運転手がクラクションを鳴らし声を上げたところRTは逃亡。
犬に付着していたクマの唾液でDNA検査をしたところ、同一個体と判明。
RTに襲われた犬は計8頭。そのうち6頭が死亡。
2022/7/11 犬食いヒグマRTついに捕獲
7月11日、ついに連続犬食いヒグマRTが羅臼町海岸町の箱わなで捕獲された。
高齢のためやせ細っていた。
DNA鑑定で羅臼町で飼い犬を襲っていた個体と判明した。
RTはどんなヒグマ?
- 性別:オス♂
- 年齢:成獣(11歳以上)
- 体重:200キロ
- 体長:180.5センチ
- 毛色:黒
RTの母は2012年に羅臼町で捕殺されており、駆除されたときに母と同時に子も駆除されていることから、RTは2010年以前に親離れしている。
そのため11歳以上と推測されている。
もしかしたら母親が駆除されているのを見ていたかも?と推測する専門家もいる。
夏の食糧が少ない時期に犬を食料とすることを学習したようである。
ハンターの評価は「慎重かつ大胆で行動予測が難しい」
今まで箱わなにかかることはなかったRTですが、外飼いされる犬も少なくなり、老齢と夏の食糧難でついに箱わなに入ったのでしょうか。
RTのくわしい年齢はまだわかりませんが、ルシャ生まれの高齢オレンジを思い出します。
高齢になり森での生存競争に敗れ、民家近くに出没し捕殺されたルシャの王。
詳細は以下の記事をどうぞ。
犬食いRTは駆除されましたが、牛食いOSO18は未捕獲。
どちらも老獪なオスのヒグマです。
牛食い巨大忍者グマOSO18については以下の記事をどうぞ。
犬食いヒグマRT事件一覧表
概要 | 発生地 | 発生日 | 被害犬 | 備考 |
---|---|---|---|---|
RT犬2頭を襲う | 羅臼町海岸町 | 2018/8/1 | 2頭 | |
RT犬1頭を襲う | 羅臼町海岸町 | 2019/7/11 | 1頭 | |
RT犬1頭を襲う | 羅臼町峯浜町 | 2019/7/26 | 1頭 | ハンターらが転倒し負傷 |
RT犬1頭を襲う | 羅臼町春日町 | 2019/8/3 | 1頭 | |
RT犬1頭を襲う | 羅臼町海岸町 | 2021/6/27 | 3頭 | 1頭死亡 |