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原子爆弾2

今日は長崎に原子爆弾ファットマンが落とされた日。

私は[祭りの場]に再会するまで、長崎のことをあまり知らなかった。
やはり原爆と言えばヒロシマだった。私の読んだ絵本や見た映画も全部ヒロシマ。
だから、ナガサキの悲劇をあまり知らなかった。
放射性物質としてはウラン(広島)よりもプルトニウム(長崎)の方が毒性が強い。※
得心する。ああ、アメリカの科学者様達はどうしても試してみたかったんだろう。
異なる放射性物質を使った爆弾を。生きている、非戦闘員の、人間の頭上に落として。
どんなふうに町を破壊し、人々を焼き殺し、人間の細胞を蝕むか。

長崎原爆の観測用ゾンデに入っていた、米国原子爆弾司令本部からの降伏勧告書にあった記述。
[科学者としてわれわれの美しい発見がこのように使用されたことを残念に思うものであります]

美しい・・・発見?
これが・・・?
この爆弾が?

美しい、発見ですか?

だったら、てめーの頭の上に落としてその美しい発見を存分に堪能したらいいだろ。

(※地形(金毘羅山)のおかげで長崎の被害は広島に比べると少ない)

私はやっぱり生を受けたからには、天寿を全うしたいと思う。
この先病気になって、過剰な医療を否定しながらも見苦しく最後まで治療に頼ると思う。
苦しくても死を選ぶのは怖いから。死にたくない、生きたい。それが生物の本能だから。

でも原子爆弾は違う。
こればかりは、[即死]に限る。即死しかない。即死以外の死は地獄である。
まず、爆発前に頭上から襲う高速中性子。ものすごい速さで爆発する前に頭上に降り注いでいる。
そして爆発。摂氏6000度の熱線。熱線により人々の無防備な皮膚は溶けて爛れ落ちる・・・
猛烈な衝撃波による家屋の倒壊。倒壊による火災。生きながら火に包まれる。
ガラスが皮膚を突き破り肉に埋まる。
そして生きながらえた後の・・・放射線被曝による後遺症。地獄地獄地獄地獄。

私はペシミスティックな性質なので、[人間いつ死ぬかわからない]といつも考えてる。
車の事故?それとも強盗?脳卒中?ガン?最悪の事態を考えてる。
でもどんな時でも生きたいと私は思っているだろう。
強盗に刺され腹部から大量に血を流しながらも、救急車を待ちわびる。
ホスピスのベッドに横たわり死期を待つ時でさえ、生の奇跡を待ち焦がれているだろう。

でも、やっぱり原子爆弾が頭上に落とされることを想定すると、即死がいい。即死しかない。

これが私が原子爆弾から学んだ最良の回避方法である。

夫に対しても同じ。
赤剥けのずる剥けのまま何か月も苦しんだ挙句、原爆症なんかで死なせたくない。
同じ死ぬなら、苦しまずに一瞬で死なせたい。
爆心地付近にいてその後幸せな人生を送るのはあまりにも難しい。
たとえ、無傷で生きながらえても数年後~数十年後に発症して国から認定されず、手術と入退院を繰り返して体中切り貼りし、生まれた子の遺伝子を心配し、後ろ髪をひかれながら死んでゆく。
それが、爆弾だから。

(でも子供がいたら違うんだろうなと思う。
どんなに苦しくてもその子の行く末を見守らないと気が済まないと思う)

今回の旅にもガイガーカウンターは持っていくつもりである。
福島に近づいてどんな数値が出るのか、自分の目で見たい。
あの事故からだいぶ経って、私も食品の産地くらいしか気を遣わなくなっている。
でも、若い人はやっぱり福島と各県のホットスポットから去るべきだと思う。

私はずっと居住地の一番近くにある静岡の老朽化した浜岡原発を警戒していた。
まさか、上からくるとは思っていなかった。
あの日、3月15日。放射性プルームが北西の風に乗って関東を襲おうとしてた時・・・
私はいち早く風向きを調べ、放射性物質が関東にもフォールアウトすることを知った。
私は家中の窓と換気口を目張りし、個人で所蔵していたヨウ素剤を服用し、N95マスクを身に付けた。
放射性物質は目に見えない。匂いもしない。味もしない。何もわからない。
でも、その後個人輸入したガイガーカウンターで庭を計測したら・・・やはり屋内とは違う値が出た。
間違いなく放射性物質は関東にも大量にフォールアウトしている。

いつかこの国は放射性物質まみれになるのではないだろうか。
どうやったら回避できる?・・・私は回避できるとは思えない。
だって、事故起こったらどうしようもなくて、ヘリコプターで放水してたよ。
人間が即死する放射線出てるんだよ。人間が近づけないんだよ。どうするの?
ろくに制御もできやしないのに、どうするのあんなモンあちこちに作って。
最近また福島原発から汚染水また海に流れてたよ。いつまで続くの汚染は。

なんというか・・・
私はもう人生の半分過ぎたし、まぁ子供ができなければ多少のあきらめもつくけど・・・
若い人達だけは被曝して欲しくないと思う。放射線は絶対ダメだ。
いっそ強烈なニオイしたらいいのに。むっちゃ怪しい色の光を出したらいいのに。
見えないものは存在しないと思い込みたい人々はたくさんいる。
大人はいいけど、居住地を自分で決められない子供がかわいそうすぎる。

あとこんなことを書くと怒られるのかもしれないけど・・・
犬猫だって避難民に置き去りにされて大量に死んだ。餓死。共食い。
帰らぬ飼い主を待ちわびて干からびていった。牛もそう。ダチョウだって。

野生生物も地獄を見ただろう。ツバメ・・・福島のツバメはどうなっているんだろう。
生まれた子はきっと片翼で・・・巣立ちもできずに死んでいく。
卵の時から巣から被曝し、親が運ぶ虫すら汚染され、親自体が被曝しているのだから。
餌を運ぶ親だって途中で息絶えて・・・
巣ではを飢え、けたたましく啼きながら二度と帰らぬ親の帰り待つ毛の生えぬ稚鳥・・・

このまま書き続けると・・・核を無くすには
地球は滅亡するしか手段がないとか言い出すのでこの辺にしておきます。

黙祷。

あ、でもこの前[はだしのゲン]が色んな言語に翻訳されて世界中で読まれてるって見た。
アメリカの人は「戦争を終わらせた平和の兵器」と思ってる人が多いんだけど、原爆被害の実情を初めて知ったり、紛争で核が他人事じゃない国の人とかも熱心に読んでた。
こうやって今を生きる人たちが原爆のことを知ってその恐ろしさを知り伝えて行けば・・・
いつか核兵器は根絶される・・・?